「真面目」は辛いことなんだろうか

菜々子を里親募集の掲示板で見初めた頃。

私にはそれに関する知識が全くなかったので、とにかく毎日

保護団体さんやら、ボランティアで「預かり」をしている方の

サイトやブログを読み漁っていました。

「預かり」とは、保護した犬猫を一般家庭に迎えて、里親を

見つかりやすくするための、「慣らし」の仮宿です。

実際、人慣れしてない子やビビリさんも多いですからね。

もうずいぶんいろいろなことを教わりました。

厳しい現実を知ると気持ちも沈みますが、それでも晴れて、

里親が決まり旅立っていく犬猫の姿は感動モノでしたねえ。

その方は、ある大きな保護団体さんで「預かり」をしていました。

ブログを読んでも、犬猫のみならず、まわりに向ける視線がとても

温かくて。当時その方の家に「下宿」していたワンコが、菜々子に

とてもよく似ていたこともあって、私はすぐ愛読者になったのです。

真面目な人でした。穏やかな物言いではありますが、ひとたび

「これはおかしい」と思うことがあると、その保護団体であろうと

よその団体だろうと、他のブロガー、果てはマスコミにまで抗議しに

いくのです。見過ごすことをしない人でした。

でも、他の意見もちゃんと聞き、決して自分を押し通したり、主張を

押し付けたりはしませんでした。

けれどもだんだん、その真摯な向き合い方がとても攻撃性を帯びた

言動に変わってきて。

自分の納得できないあれこれに苛立っているというよりも、自分自身の

その真っすぐな考え方そのものに絡まってしまっているような。

あれ。なんか変だなあと思ったものです。

ある製パンメーカーのCMに苦情を入れたとブログに書かれたとき。

コメント欄で私に「どう思うか」と聞いてこられたことがあって。

（たまにコメ欄でやりとりをするようになっていたのです）

そのメーカーのCMでは、自然で少々レトロ感のある暮らしを

背景に据えたものが多かったんですが、その中に犬が登場していて。

「なぜ、クサリにつないだ雑種犬なのか」

「なぜ犬小屋が裏庭にポツンとある設定なのか」

彼女はそういう犬（雑種犬＝保護犬に繋がる）の飼い方の、

ステレオタイプなイメージがどうにも許せないようでした。

私は自分でなんと答えたかはもう忘れかけていますが、たぶんCMの

製作者は「昔どこでも見かけた犬の飼い方」を深い意味もなく

出しちゃっただけなのではないだろうか、みたいな、これもまた

いい加減な返答しかできなかった気がします。

その人はその後まもなく、所属していた団体さんと大喧嘩をし、

預かっていた犬を自分で引き取ると、ぷっつり預かりもブログも

やめてしまいました。

なんだかとても、心に重い石ころが投げ込まれた気がしました。

彼女がただの「融通のきかない深く考えすぎな人」であったなら、それは

それで仕方ないと思えたのでしょうが。

ブレがなく、きりっと前を向いた考え方がものすごく「カッコいい！」と

思えた人だっただけに、どうしてなんだろう・・・と。

真面目って、時に人を壊すものなんだなぁ。

真面目とうまく折り合いをつけてやっていく方法ってないのかな。

横道に逸れてばかりの私には、どうにもわかりませんでした。

「真面目であることを美化する必要はない。

　でも、真面目が正当に評価されない世の中はおかしい」

どこかの本の中で誰かが言ったセリフだったと思いますが。

私もそう思います。

日本人って、真面目な部類ですよねえー。

強制も罰則もないのに、「自粛してね」って言われただけで、

きちんと守る人がほとんど。

マスコミが喜んで取り上げる「不埒な人々」は、割合からしたら

少数といえるのでは。

でも、辛いよね。つまんないよね。ウンザリしちゃうよね。

辛くない真面目はどこにあるんでしょうか。

ここにあります。

昨年取った朝顔のタネ、やっと土に撒きました。

ビックリなことに、ひと晩で芽が出ました。

植物って、真面目そのものですなぁ～。

しかしながら、育てる側は・・・・・・・・。

この朝顔ね、花農家さんが偶然に生み出した品種なんです。

小さいけど、綺麗な花がたくさん咲くんです。

こんな感じの。

去年愛媛で育てたものです。

この風鈴は、わかりづらいけど金魚柄♪

朝顔「真面目に育ててちょうだいね」

はい・・・・・・。