ここで待ってます

喜怒哀楽のなぐり書きですが。

「怖いもの」をくっつけながら。

週末は少し暑さがやわらぐとのことで、今日は我慢の一日でしょうか。

「怖い話」がお題になってましたので、ちょっと書いてみます。が、幽霊話とかではなくて、「あれはなんだったんだろ」的なお話なんですけども。

夫の母が亡くなって、その葬儀の晩のことです。身内が集まってお酒を飲んだりしていたのですが、くたびれた私は先に休ませて貰うことにして2階に上がりました。春先でまだ寒い頃だったのですが、一服したくて窓を開けたんですね。

目の前には道路をはさんで叔父さん(義母の弟です)の家が建ってるんですが、丁度窓際に腰かけた私の目線の先にも、やはり同じような2階の窓があります。煙を吐きながら、ぼんやり眺めていると、その窓に白いものがはりついてるのに気づいたんです。

「なんだろ?」

窓ガラスの掃除のときに使う、白い泡の出る洗剤ってありますよね。あれを「S」の字に吹き付けたような感じなんですが、もっと厚みがあってもこもこしてるんですよ。

「???」

埃か汚れか、はたまたそういった洗剤の拭き残しか?と思ったんですが、洗剤ならすぐ垂れてしまうでしょうし、田舎ですから蛇でも張り付いてるのかとよく見ても、どうにも生き物には見えないんですね。煙のような綿をちぎったようなその物体はずーっと眺めていてもそのままの形で窓にくっついているんです。

タバコも吸い終わったし、くたびれていた私は、特になんとも思わずそのまま窓を閉めて寝てしまったのですが。

翌朝、ふっとそれを思い出して確かめてみたんですが、叔父さんの家の窓にはもう何も残っていませんでした。

夫にもそのことは特に話しませんでしたし、私自身もそのまま忘れていたんです。

そのほぼ1週間後に、叔父さんが突然亡くなったのです。夫がまた慌てて休みをとって帰省したのですから、ほんとうに急な出来事でした。叔父さんは前日までとても元気だったそうなのですが、まあ酒豪でしたから、身体のあちこちには不具合があったのでしょう。

「姉さん(義母)が連れて行ってしまった」と近所では噂になったそうですが、そのとき私が思いだしたのは、あの雲みたいな綿みたいな窓にはり付いていたもののことでした。

あの奇妙なものは、もしかしたらお知らせってやつ・・・?

それにしては、関係ない私にしか「お知らせしてない」ではないか!

夫にも義姉にもそのことを話したのですが、それの正体は謎のままです。今はもう叔父さんの家も壊されて更地になっていますし、確かめるすべはありません。

確かなのは「私は見た」(家政婦シリーズみたい)そのことだけです。

ただ、ときどき。

実家の窓はもちろん、よそ様の家の窓をつい見てしまうのです。

またあの白いものがくっついていたりしたら・・・・・と。

まあそれよりもね。

人の生活には何がしの「怖いもの」がくっついてるもんですよね。

お化けとかじゃなくても、たとえば大事な人の身の上によくないことが起こるのはとても怖いし、自分が明日大事故にあって即死ならまだしも、ベッドで寝たきりになってしまうのは恐怖です。

私自身に限っていえば、夜中に菜々子の調子がおかしくなるのは非常に心臓によくないことですし、いるはずの時間にかけても電話に出ない実家の母親(倒れてるんじゃないか!!)や、犬散歩のとき向こうから何故か怒鳴りながら歩いてくる人などを見ると、冷や汗が出ます。

花壇の葉っぱの裏にびっしりと毛虫がたかってるのを見たりすれば「どっひゃああああああああああ!」と鳥肌がたちますし、耳たぶにポチっと痒い発疹があったりすると(私は左耳にヘルペス菌を飼っております)非常にいやな怖さを感じます。

小心者なので、心霊的なものも含めてなるべく怖いことは起こって欲しくないんですが、でもまあ・・・。

怖いと感じることが、生きてる証でもあるとは言えましょうから、そういうものをくっつけながら、日々暮らしていくのでしょうね、人間ってやつは。

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「アタシは、ごはんが食べられなくなるのが一番コワイです。」

いつまでもモリモリ食っとくれ。